40代以上女性の美容・ファッション購買に関する調査が発表されました。物価高で化粧品への支出行動に変化が見られる一方、月あたりの平均購入額は横ばいで推移しています。猛暑によるノーメイク化・スキンケアシフトも確認されており、健康食品・美容ECの訴求設計に関わるデータを整理しました。
40代以上女性の美容購買はどう変わったか。物価高×猛暑のダブル影響を読む
要点:ハルメク・エイジマーケティングが実施した調査(40〜89歳女性1,000名対象)によると、美容商品への月あたりの平均購入額は横ばいで推移している一方、物価高による購買行動の変化が一定数に見られることが示されました。
ハルメクホールディングス傘下のハルメク・エイジマーケティングが2026年1月に実施した「ファッション・美容に関する意識・実態調査」(40〜89歳女性1,000名)の結果が公開されました。衣類・美容への月あたり平均購入額は前回・前々回調査からほぼ横ばいで推移しており、大きな落ち込みは見られません。
一方で物価高の影響として、「特に変化はない」が半数を超える一方で、購入頻度を減らした・優先度が下がった・購入する価格帯を下げたという変化を感じた方の合計が3割超に達しています。健康食品・美容ECにとって、マジョリティは変わっていないが、無視できない規模の層が購買行動を変えているという二層構造が見えてきます。
| 調査で見えた変化 | 健康食品・美容ECへの示唆 |
|---|---|
| 月あたり購入額は横ばい | 「支出総額を減らした」ではなく「使い方を変えた」層が多い |
| 物価高で購買行動に変化あり(3割超) | 「高くても納得できるもの」と「節約対象」で二極化が進む |
| 「通販で買うようになった」も一定数 | 物価高がEC移行のきっかけになっている層が存在する |
| 「セール・クーポンを使うことが増えた」 | 定期購入初回割引・ポイント設計への感度が上がっている |
猛暑がメイクをシンプル化させている。健康食品・美容ECが取りにいくべき変化
要点:猛暑によるメイクの変化として「ノーメイクの日が増えた」「ポイントメイクを減らした」という回答が一定数見られます。一方で「日焼け止めを強いものに替えた」「スキンケアをさっぱりするものに替えた」という積極的なシフトも確認されており、スキンケア・インナーケア系商材との相性が高い変化です。
猛暑によるメイク変化は「特に変化はない」が最多ですが、「メイクする頻度が減った(ノーメイクの日が増えた)」という変化が6人に1人程度見られます。ポイントメイクやベースメイクを減らしたという声も一定数あります。
現場の観点で注目したいのは「日焼け止めを強いものに替えた・塗り直しの頻度を上げた」「スキンケアをさっぱりするものに替えた」という積極的なシフトです。メイクにお金をかけなくなった層が、スキンケア・紫外線対策・インナーケアに支出をシフトしている可能性があります。「外側のメイクを減らして、内側・土台のケアを強化する」という行動変化は、健康食品・美容ECにとってターゲット層の訴求軸として活用できる変化です。
「ノーメイクでも自信を持てる肌へ」「素肌のコンディションを整えることに投資する」という文脈は、猛暑×物価高×メイクシンプル化という3つの変化と合致します。スキンケア・美容サプリ・インナーケア系商材のコンテンツ設計に活用できる訴求軸です。薬機法の観点では「素肌に自信を持てる」という断定は避け、「毎日のケアで土台を整える」という文脈での表現が基本になります。
ECで服を買うことに抵抗がない人は2割未満。40代以上女性のEC活用の実態
要点:「実物を見ずにECで服を買うことに抵抗はない」と回答した方は2割に届かず、40代以上女性のアパレルEC購入へのハードルがまだ高いことが示されました。一方でおしゃれ価値観として「場に合っていること」が前回調査から大きく上昇しており、実用・場面重視への変化が見られます。
ファッションに関して「ECで実物を見ずに買うことに抵抗はない」と回答した方は2割に届きませんでした。40代以上女性にとってアパレルECはまだ心理的ハードルが残っているという実態です。
一方で注目したいのはおしゃれ価値観の変化です。「きちんとして見えること」が前回調査から大幅に低下した一方で、「場に合っていること」が大幅に上昇しています。「良いものを長く着たい」という回答が最多を維持しており、「高品質×長持ち×シーン対応力」という軸が40代以上女性のアパレル選びの中心になっています。
健康食品・美容ECにとってここから読み取れるのは「この商品が自分の生活のどんなシーンに合うか」という文脈の重要性です。「〇〇のシーンに合う」「日常の習慣に組み込みやすい」という訴求が、この層の購買判断と合致します。
まとめ
要点:物価高×猛暑という2つの環境変化が、40代以上女性の美容購買行動を「メイクシンプル化・スキンケアシフト・価格感度上昇」という方向に動かしています。この変化を訴求設計に取り込むことが、健康食品・美容ECの現場での次のアクションになります。
- 美容商品への月あたり平均購入額は横ばいですが、物価高で購買行動に変化があった層が3割超います。「高くても納得できるもの」と「節約対象」の二極化が進んでおり、「なぜこの商品に投資するか」の訴求を明確にすることが重要になっています。
- 猛暑でメイクをシンプル化した層が一定数います。「外側のメイクを減らして土台を整える」という行動変化は、スキンケア・インナーケア系商材との相性が高い訴求軸になります。「ノーメイクでも整った肌への投資」という文脈が刺さりやすいタイミングです。
- 「場に合っていること」重視への価値観変化は、商品の使用シーンをコンテンツで具体的に示すことの重要性を示しています。「この商品が日常のどんな場面に合うか」という訴求設計が、40代以上女性の購買判断に合致します。
よくある質問
要点:今回の調査と健康食品・美容ECへの活用について疑問を整理しました。
Q. 物価高で美容支出が減っている層へのアプローチはどう変えるべきですか?
「購入頻度を減らした」「優先度が下がった」層への有効なアプローチのひとつは「一つで複数の効果を得られる商品・コンテンツ設計」です。複数のアイテムを購入するより「これ一つで〇〇と〇〇をカバーできる」という効率訴求が、物価高時代の40代以上女性の購買判断に合致しやすいです。
Q. ECで服を買うことへの抵抗が高い層に美容商品を売るには?
アパレルECへの抵抗とは異なり、美容・健康食品は「実物を見ずに買う」ハードルが相対的に低いカテゴリです。ただし「試してみて合わなかった場合のリスク」を下げる設計(返金保証・小容量お試し・定期解約の自由度)は、この層の購買障壁を下げる上で有効です。
※参照:「衣類・美容の平均購入額/月は9343円。物価高で化粧品の購入頻度・優先度・価格帯が下がった割合は31%【40代以上女性の実態調査】」ネットショップ担当者フォーラム(ハルメク・エイジマーケティング調査)

