「AIきっかけ」で商品を購入した経験がある人が半数を超えました。ただしAIの提案をそのまま購入する人は少数で、約9割がGoogle検索で追加確認してから決断しています。「AIに選ばれる」と「Googleで見つかる」の両方が必要になった理由を整理しました。
「AIで調べてからGoogleで確認する」が購買の標準フローになりつつある
要点:PLAN-Bマーケティングパートナーズの調査(500人対象)によると、AIとの対話をきっかけに商品を購入した経験がある人が半数を超えました。一方でAIの提案後に追加検証する手段はGoogle検索が9割近くに達しており、AIは購買の入口になったが判断はまだ人間が別のチャネルで行っているという実態が示されています。
「生成AIを日常的に使う人(毎日・週数回)」の割合が前年から約10ポイント上昇して約27%に達しました。AIを情報収集の入口に使う行動が広がる中で、AIきっかけで実際に商品を購入した経験者も前年比で10ポイント以上増加しています。
注目すべきはその後の行動です。AIが提案した商品について「生成AI以外では情報を検証していない」と答えた人はわずかで、大多数がGoogle検索で追加確認をしています。ECモール・SNSも一定数が活用しています。
この購買フローが意味することはシンプルです。AIは「何を検討するか」の絞り込みには使われている。でも「本当に買うかどうか」の最終判断は、別のチャネルで確認してから下している。AIが購買の入口になったことで、検索エンジン・ECサイト・SNSは「AIの提案を検証する場」という役割を持ち始めています。
| 購買行動の変化 | EC事業者への示唆 |
|---|---|
| AIきっかけの購買が半数超 | AIに選ばれる情報設計(LLMO対応)が重要に |
| 追加検証はGoogle検索が9割近く | SEOとAIOの両方が必要・片方だけでは不十分 |
| ECモール・SNSも追加確認に使われている | 商品ページ・レビュー・SNS投稿の質が最終判断に影響 |
| 「化粧品・スキンケア」が購入カテゴリ上位 | 美容ECはAI購買の恩恵を受けやすいカテゴリ |
「AIに選ばれる」と「Googleで見つかる」を分けて設計すべき理由
要点:AIでの露出とGoogle検索での露出は、最適化する要素が異なります。AIでの露出は「信頼性・構造・ユースケース」、Googleでの露出は「SEO・コンテンツの網羅性」が軸になります。この2つを混同して設計すると、どちらも中途半端になります。
今回の調査データが示す購買フローは「AI→Google→購入」です。この2段階に対して、EC事業者は異なる設計で対応する必要があります。
AIでの露出(LLMO対応)で重要なのは「誰の・どんな悩みを・どう解決するか」が一文で伝わる定義文・FAQ構造・具体的なユースケースを含むコンテンツです。AIは「質問への回答として引用できる情報」を好みます。成分の羅列やスペック説明より、「こういう人に・こういう場面で・こう使う」という文脈が強いです。
Google検索での露出(SEO)で重要なのは、ユーザーが「AIの提案を確認したい」というモードで検索することを想定した設計です。「AIが推薦したブランドが本当に信頼できるか」を確かめようとしているユーザーが自社サイトにたどり着いたとき、何を見せるか——口コミ・実績・具体的な使用事例・ブランドの信頼性証明がこの段階で効いてきます。
まとめ
- AIきっかけの購買が半数を超えました。AIが「何を検討するか」の入口になる一方、「本当に買うか」の最終判断はGoogle検索・ECモール・SNSで確認してから下すという2段階フローが定着しつつあります。
- 「化粧品・スキンケア・ヘアケア」はAIきっかけ購買カテゴリの上位に入っています。美容ECにとってLLMO対応とSEO対応の両方を持つことが、この購買フローへの現実的な対応になります。
- AIでの露出とGoogle検索での露出は別の設計が必要です。AIには「ユースケース・定義・FAQ構造」、Googleには「信頼性の証明・口コミ・実績」という役割分担で考えることが現場での出発点になります。
よくある質問
Q. LLMO対応とSEO対応は同時にできますか?
方向性は重なる部分が多いです。「ユーザーの悩みに答える質の高いコンテンツ」はどちらにも有効です。ただしAIへの最適化は「引用されやすい構造(FAQ・定義文・具体的なユースケース)」を意識する点がSEOと異なります。まずコンテンツの質を上げることが、両方に効く共通の出発点になります。
Q. AIきっかけで購買されやすい商品カテゴリはどれですか?
今回の調査では「パソコン・スマートフォン・周辺機器」が最多で、「衣類・アパレル」「食品・飲料(サプリメント含む)」「化粧品・スキンケア」と続いています。比較検討の条件が多いカテゴリや、選び方の相談ニーズが高いカテゴリでAI活用が進んでいる傾向があります。
※参照:「AIきっかけの商品購入は半数超。AIの提案の追加検証はGoogle検索が87%、ECモールとSNSが34%」ネットショップ担当者フォーラム(PLAN-Bマーケティングパートナーズ調査)

