Yahoo!のAIエージェント「Agent i」で、検索連動型ショッピング広告の配信機会が拡大しました。ただし、Agent iだけを配信停止したり、掲載実績を切り出したりすることはできません。広告主が知っておきたい制約と、見えない配信の評価方法を整理します。
Agent iでショッピング広告の配信と課金が拡大
要点:2026年8月31日から、Agent iの回答内に表示される検索連動型ショッピング広告の配信機会が拡大し、広告主への課金も始まりました。

LINEヤフーは、AIエージェント「Agent i」における広告配信を拡大しました。
検索連動型ショッピング広告では、2026年8月31日から配信機会が広がり、Agent iの回答内に表示された広告も課金対象になっています。
Agent iでは、利用者がAIと対話しながら希望や条件を整理します。その会話内容に適しているとシステムが判断した場合、関連する商品広告が回答内へ表示される仕組みです。
広告主がAgent i専用のキャンペーンを作るわけではありません。既存の検索連動型ショッピング広告が、配信条件に応じてAgent iにも掲載される可能性があります。
Agent iのショッピング広告でできない4つのこと
要点:新しい顧客接点が増える一方、検索連動型ショッピング広告ではAgent iへの配信を個別に制御・把握できません。

- Agent iの回答エリアだけを指定して配信停止する
- 対象外キーワードによってAgent iへの表示を完全に防ぐ
- Agent i単独の掲載実績を確認する
- 検索クエリーレポートでAgent iへの掲載を判別する
特に重要なのは、Agent iへ広告が何回表示され、何件のクリックやコンバージョンを生んだのかを切り出せないことです。
検索連動型ショッピング広告全体の数字には含まれますが、掲載面別の実績は確認できません。そのため、通常の検索結果とAgent iの成果を分けたROAS評価はできない状態です。
また、利用者の質問内容を対象外キーワードとして登録しても、必ず配信対象外になるとは限りません。AIとの会話全体を考慮して広告が選ばれるため、通常の検索語句と同じ感覚では制御できません。
なお、ディスプレイ広告(運用型)は仕様が異なります。こちらは「search.yahoo.co.jp/chat」をプレイスメント除外することで、Agent iへの配信を停止できます。ショッピング広告とディスプレイ広告を混同しないよう注意が必要です。
Agent i単独の成果が見えないとき、どう評価するか
要点:配信拡大前後の広告全体を比較し、成果の証明ではなく、変化や異常を見つける材料として使います。

Agent i単独の実績が見えない以上、「Agent iで何件売れたか」を正確に評価することはできません。
確認できるのは、検索連動型ショッピング広告全体にどのような変化が起きたかです。
- クリック数やクリック率が変化していないか
- コンバージョン数やコンバージョン率が変化していないか
- 売上やROASに大きな変動がないか
- 想定外の商品へのアクセスが増えていないか
ただし、8月31日前後の変化をすべてAgent iの影響と判断することはできません。
入札設定、商品構成、セール、在庫、競合状況などが同時に変わっていれば、数字が動いた原因は複数考えられます。また、全配信に占めるAgent iの割合も確認できません。
前後比較は、Agent iの効果を断定するためではなく、配信拡大後に見逃せない変化が起きていないかを検知するために使うのが現実的です。
広告文より先に商品フィードとリンク先を確認する
要点:掲載面を細かく制御できないからこそ、どの文脈で表示されても誤解を生まない商品情報を整える必要があります。

検索連動型ショッピング広告では、登録されている商品情報をもとに広告が表示されます。
Agent iでは、短い検索語句だけでなく、利用者とAIの会話から具体化したニーズに応じて商品が提示されます。広告主が掲載面や質問内容を細かく指定できないため、商品フィードとリンク先の整合性がより重要になります。
- 商品名だけで商品の種類や特徴が分かるか
- 商品画像が実物や販売内容を正確に伝えているか
- 価格・在庫・販売条件が最新になっているか
- 商品情報とリンク先ページの説明が一致しているか
- 健康食品や美容商品で、誤解を招く表現が含まれていないか
Agent i用に特別な広告を作れないからこそ、既存の商品情報をどの掲載面でも通用する状態にしておく必要があります。
成果が見えにくい配信では、無理に効果を推測するより、まず誤配信や情報の不一致による損失を防ぐことが優先です。
まとめ
要点:Agent iは新しい商品発見の導線ですが、検索連動型ショッピング広告では配信の個別停止も、掲載面単独の評価もできません。
- 2026年8月31日から、Agent iにおけるショッピング広告の配信機会と課金が拡大しました。
- Agent iだけの配信停止、掲載実績の確認、検索クエリーによる判別はできません。
- 開始前後の全体指標は、効果の断定ではなく変化や異常の検知に使います。
- 制御できない掲載面に備え、商品フィードとリンク先の整合性を確認しておきましょう。
よくある質問
要点:ショッピング広告とディスプレイ広告では、Agent iへの配信停止方法が異なります。
Q. Agent iへのショッピング広告だけを停止できますか?
できません。検索連動型ショッピング広告では、Agent iの回答エリアだけを指定して配信停止する機能はありません。
Q. ディスプレイ広告もAgent iへの配信を停止できませんか?
ディスプレイ広告(運用型)は、「search.yahoo.co.jp/chat」をプレイスメントターゲティングで除外することで停止できます。検索連動型ショッピング広告とは仕様が異なります。
※参照:「LINEヤフー、『Agent i』において、AIとの対話の文脈に応じた広告配信を拡大」LINEヤフー for Business

